東京ゲームダンジョン3に出展してみた

東京ゲームダンジョン3に出展してみた

東京ゲームダンジョンとは

2023年7月30日に東京の浜松町で開催された東京ゲームダンジョン3に出展してきました。
東京ゲームダンジョンは国内のインディーゲーム開発者(個人や小規模チーム)が制作するゲームの展示会です。
似たようなイベントとしてデジゲー博やIGC(Indie Games Connect)があり、私はそれらにも一般客として参加したことがありますが、東京ゲームダンジョンはより個人の開発者向けな印象を受けました。
回を重ねるごとに参加団体および参加者が増えており、今回はなんと200団体が出展することになりました!
私はゲーム製作を始めてまだ一年と少しであり、もちろん展示会に出展する経験も無かったのですが、東京ゲームダンジョン3は審査が無かったり個人開発者が使いやすいミニ机での出展ができたりするなど非常に気軽に出展できるイベントだったので、思い切って出展してみることにしました。

当日に会場の入り口にあった垂れ幕

出展する内容

他の出展者の方々は開発途中またはリリース後の単一のゲームを展示していたのですが、私はnyoroko Appsのアプリ群全体として出展しました。
そもそもスマホゲームやコンシューマーゲームではなくブラウザゲームという時点でかなり異色なのですが、審査が無いというのもあり出展させていただくことができました。(運営の岩崎さん、ありがとうございます!)
現時点では6つのアプリがあったので、6つのアプリを試遊できるように試遊用iPadを設置しました。
また、ブラウザゲームの強みとしてダウンロード不要ですぐに遊べるので、QRコードを大々的に設置してお客さんのスマホでも試遊できるようにしました。

コミックマーケットのように一応物販もできるので、体験版やアクリルスタンドなどのグッズを販売している方々も多かったです。
せっかくだから私も何か売ってみようと思い、ジェネラティブアートのポストカードを2枚100円で販売してみることにしました。

当日のブースの様子

値札などの小物は自宅で組み立てる直前まで作っていたので、会場の設営は楽でした。
テーブルクロスを敷き、小物を組み立てて試遊用iPadなどと共に並べるだけだったので、準備や撤収は非常に楽でした。
今回はミニ机で出展したので90cm×90cmの空間でしたが、奥行きが思ったよりも広くてスペースには不便しませんでした。

E-04b nyoroko Apps

嬉しかったこと

オフ会としての一面

Twitterでフォローさせていただいているゲーム製作者の展示を観に行ったり、逆に非常にありがたいことに私の展示を見に来てくださる方がいたりと、オフ会としても非常に楽しかったです。
やはり人となりは作品に出るようで、普段の開発のご様子から想像した感じのお人柄だったことが多く、安心してお話しすることができました。

新たな出会い

Twitterでフォローさせていただいていないゲーム製作者の方ともたくさん交流することができました。

お客さん:「どのようなエンジンを使っているんですか?」
私:「Phaserです!」
お客さん:「Phaser...!?」

というやりとりを何回も繰り返しました…笑
Phaserは日本での普及度が非常に低いと痛感したので、もしこの記事を読んでご興味を持たれた場合は方は入門記事をご覧いただけると幸いです。

ゲーム製作者以外の方でも、例えば以下のように多くの方に興味を持っていただけました。

  • Webエンジニア
  • デザイナー(ジェネラティブアート系)
  • プログラマ(組み込み系等)
  • カジュアルゲームのプラットフォーマー
  • ゲーム愛好家

ゲームのプレイヤーを増やしたい場合はイベントに出展するよりもプレスリリースや影響力のある人の宣伝などの方が伸びると思うのですが、こういったお客さんと濃密な交流ができるのはイベントならではだと思います。

コンセプトが伝わった!

私の作品のコンセプトは"Simple law, Complex behavior"(「シンプルな法則、複雑な動き」)なのですが、そのコンセプトに共感してくださった方が一定数いて非常に嬉しかったです…!
シンプルな世界観が好きという方や、カオス理論などの複雑系を勉強していた方など、様々な方に興味を持っていただけました。
同時に、私のコンセプトに共感してくださった方々にはある一定の傾向を見出せたので、今後はよりターゲットを明確にして宣伝をしていくことができそうだなとも思いました。

やってよかったこと

アートも出展

ゲームではないのですが、万華鏡を作ることができるWebアプリ"Kaleido Pic"とそれを用いた万華鏡のポストカードも出展しました。

Kaleido Pic

あなただけの世界を創造。あなたの画像が美しい万華鏡に変わる、Kaleido Picで魅惑のアートを楽しもう。

App Browser Art

アートをきっかけに興味を持ってくださる方がたくさんいたので、展示してよかったと強く感じました。
私自身ジェネラティブアートに強い興味を持っているので、そういった方とジェネラティブアートの話もできたのがとても嬉しかったです。

小物

お客さんの立場に立つと「どれが無料でどれが有料か分かりにくい」ということが多いらしいので、明確に区別するために値札の小物を置いたのは良かったです。
また、Divoom Ditoo-ProというレトロPC風の見た目をしたBluetoothスピーカー兼ピクセルアートディスプレイを持って行ったところ興味を持っていただけたことが多かったので、こちらも予想外に良かったです。

チラシの作成

チラシは絶対にあった方がいいです。
「ブースにはそこまで興味ないけどチラシだけ取ってみるか」という感じでチラシだけでも取ってくださる方はかなり多かったですし、QRコードを載せていたので家でも遊んでいただけたようです。
また、今回からは運営がA4のチラシが入る袋を配布してくださったおかげで、手ぶらで来たお客さんもチラシを取ってくれることが多くて追い風になりました。
100枚もあれば足りると思っていたのですが、なんと全部配ることができました!

名刺の作成

こちらはチラシに比べると優先度は下がりますが、連絡先の交換という意味で特に同業の方とお話しするときにはあった方がいいです。
また、裏面にセルオートマトンのアートを描いたところ名刺が欲しいと言ってくださったお客さんも多く、意外と多くの枚数を配ることができました。

反省点

テストプレイ不足

私は完全に個人でゲームを作っており、テストプレイも基本的に自分でしているのですが、いざ目の前で他の人がプレイしているのを見ると多くの不備が見つかりました
私のゲームには一応チュートリアルを付けてはいるのですが、そもそも操作性が悪かったり、意外と伝わらないことが多かったりといった具合でした。
カジュアルゲームでは、お客さんに慣れるまで辛抱していただくということが難しいので、こういった欠点は致命的です。
次回作以降はテストプレイを他の方にしていただき、ちゃんと伝わるようにしてからリリースしたいと強く感じました。

印刷について

DIY精神を発揮して印刷物を全て自分のプリンタで印刷したのですが、用紙代やインク代を考えるとこれはお勧めできません
特に注意すべきは名刺の印刷です。
A4の用紙に印刷してから裁断する方法と、名刺用紙に印刷する方法の両方があるのですが、前者は裁断機が必要なこと、後者は用紙が小さいため印刷時のインクヘッドのブレなどが生じやすいことがあります。
私は後者を選択したのですが、名刺の裏面を印刷するときにインクヘッドがブレて何枚かダメにしてしまいました。
名刺やフライヤーは数百枚単位で頼めば外注の方がむしろ安いですし、納期が許すなら外注を検討するべきだと思います。

ただ、当日使った値札などの小物は1部しか印刷しなかったので自分のプリンタを持っていてよかったです。
値札やQRコードなどの小物をマットフォトペーパーに印刷して組み立てて使ったのですが、思ったよりもいい味を出していたので、またイベントに出展する機会があればぜひ使いたいです。

試遊用の椅子について

ありがたいことに熱中して試遊してくださる方が多かったのですが、試遊用の椅子が無かったのでずっと中腰の姿勢にさせてしまいました。
他のブースのように試遊用の椅子はあった方がいいと強く感じました。

最後に

勇気を出してイベントに初出展してみましたが、この夏最高の思い出になりました!
主催の岩崎さんには感謝してもしきれません。
東京ゲームダンジョン4があれば、またぜひ参加させていただきたいと思います。

また、他のゲーム製作者の方々との交流を通じて、インディーゲーム製作者はある傾向に基づいて分類できそうだというアイデアが生まれました。
このことについて、後日記事を書きたいと思います。

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